モンステラの発根、管理方法について

育成方法

未発根株の管理方法について

植物を受け取ってから、土に植え替えるまでの流れを解説していきます。

植物が到着してやるべき事

出来るだけ早く開封して、発根管理を開始して下さい。挿し穂の鮮度が良いほど、発根率・発根スピードが上がります。

  1. 植物全体(葉、茎)を水で綺麗に洗う
  2. 消毒(ハイター推奨)した園芸ハサミで茎の中が変色していない所まで切る。腐っている部分を残しておくと、そこから腐敗が進みます。

    茎の中が黒くなっていない部分まで切った株

  3. 0.05% 次亜塩素酸ナトリウム水溶液を茎に噴霧して殺菌する
    花王キッチンハイターの場合、水3Lにキッチンハイターを25ml混ぜると0.05%次亜塩素酸ナトリウム水溶液が作れます



    キッチンハイターを扱う場合は、必ず手袋などを付けて下さい。
    参考:塩素殺菌剤を用いた草花の簡便な無菌的挿し木育苗
    参考:【成分・働き】花王の塩素系漂白剤で、次亜塩素酸ナトリウム0.05%、0.1%の液は作れるの?
  4. 発根促進成分であるオーキシンを含むオキシベロン400倍希釈に切り口を24時間漬ける(2.5ml/1L)
    コップが小さいと水が腐る可能性があるので、少し大きめのバケツなどがオススメ
    希釈倍数を計算出来るサイト

発根管理

モンステラの場合、数が少なく時間に余裕があれば、水耕栽培が発根が早くオススメです。時間が無い場合は、ベラボンまたは水苔が発根率が高くオススメです。有機物が多い培養土などに植えてしまうと、腐りやすいのでご注意下さい。

水耕栽培

大きめのバケツなどに入れて、毎日水を替えて下さい。時間に余裕があれば、1日2回替えると、腐る確率が減ります。水で問題なく発根しますが、少しでも発根率を高めたい場合は、発根促進剤(Rapid Start)を使って下さい。効果は落ちますが、メネデールでもOKです。

新しい気根(気根3)のほうが発根ホルモン(オーキシン)を多く含むので、発根が早いです。水耕栽培する場合、気根3まで水に漬けておきましょう。

水苔+ベラボンMIX

発根管理をする場合の土は、ベラボンM〜Lサイズ7:水苔3がオススメです。ベラボン100%、水苔100%でも問題なく発根しますが、感覚的に上記配合だと発根が早い気がします。ベラボンを使う場合は、事前にベラボンを水に数時間漬けて、水を吸うようにして下さい。

温度、湿度、光、肥料について

温度20-25度、湿度70%以上で管理すると、病気の発生を最小限に抑えつつ発根率を高める事が出来ます。15度以下、35度以上のように人間にとっても快適ではない気温になると、発根率が落ちるのでご注意下さい。

光については光合成光量子束密度 (Photosynthetic Photon Flex Density : PPFD)[mol/ m2・s]を測定する機械を持っている方は少ないと思うので、人間の目で見える光を表す照度Luxを参考に使います。

モンステラ属の場合は、最小100~最大250(μmol/s/m²)のPPFDが最適とされています。LEDまたは、太陽光の場合、5,000〜10,000Luxの光量の場所で管理しておけば、光合成して成長します。強い光を当てた場合、最初は葉焼けしますが、徐々に適応していき、強い植物になるので、弱すぎる光よりも、多少強めの光のほうが良いです。

照度計はAmazonなどで3,000円くらいで購入出来ます。https://amzn.asia/d/gyNhJoZ

参考:植物が感じる「明るさ」の単位 〜 PPFD とは?~
参考:Genera Specific PPFD Recommendations

未発根株の場合、肥料などは不要です。発根率を高めたい場合は、肥料ではなく、RapidStartやメネデール、オキシドール水などを使いましょう。

発根するまでの管理方法

水耕栽培の場合は毎日水を替えて、水苔ベラボンの場合は、完全に乾く1日前くらいで鉢底から水が流れ出るくらいたっぷり与えて下さい。

水耕栽培の場合、下の写真くらい根がモリモリになってから水苔ベラボンMIXか土(通気性が良い)に植え替えるのがオススメです。水耕栽培の場合、一度発根が始まると、一気に根が伸びていきます。

発根失敗の例

このように茎の下から腐敗が進んでいくと、全体が腐ってしまいますので、茎の中が腐っていない所まで綺麗なハサミかカッターでカットしましょう。

腐敗が進んでいる茎

腐っている部分を取り除いた断面

株分けのタイミング

複数の節がある場合は、1節で切り分けても1つの植物として成長しますが、未発根株を切り分けると、切り口の断面から腐っていくので、発根してから切り分けるのがオススメです。

悪い例)未発根で茎が短い

良い例)発根済みで茎の長さも十分

葉の変色について

斑入りの葉は、葉焼けや環境の変化によるストレスで葉が変色する事がよくあります。変色した葉を残していても、問題はありませんが、見た目が気になる場合は変色部分をカットしましょう。

白斑部分が変色した葉

変色した部分をカット

芽の場所

モンステラの脇芽

モンステラの新芽

発根済株の管理方法について

発根した株であれば、温度や湿度などの条件が悪くなっても、環境に適応して問題なく成長しますが、基本的には発根管理時のような条件が一番成長します。

肥料に関しては、ホームセンターなどでも買える10-10-10の遅効性肥料を株元に置いておき、1ヶ月に1回くらいでハイポネックスを500倍に薄めて水やりすると肥料焼けなどなく元気に成長します。

さいごに

記事を読んでわからない事や他に聞きたい事などあれば、お気軽にコメントまたはラインでお問い合わせ下さい。

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